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女性は結婚と同時に住み慣れた町を離れ、夫だけを頼りに新しい町で暮らしていくものです。最近は男性より女性のほうが何かと強いケースも多いからか、結婚しても実家のすぐそばに新居を構え、毎日のように実家に入り浸る人も少なくないというけれど、それはラッキーな人だと思います。私も新婚当初の不安定な時期や、出産後の大変な時期など特に、両親が恋しく、実家が近かったらどんなにいいだろうかと思ったものです。

ストレスとの闘い

多くの女性がそうであるように、私も結婚と同時に故郷を離れ、大切な家族と友達を置いて、夫の国、韓国に来ました。最初の頃は環境そのものが相当なストレスでした。巷に溢れているのは韓国語。看板の文字は全てハングル。テレビをつけても韓国語。新聞を見ればハングル。日本語に触れたい、日本語にどっぷり浸かりたいと、毎日のように思っていました。ちょうど韓国に来て二週間頃、私のストレスがピークに達したときに通い始めた多文化センターで、日本人の人と知り合いになり、私のストレスは少しずつほぐれていきました。

韓国は今、外国人数が150万人をはるかに越え、私のような結婚移民者以外にも仕事や留学などで多くの外国人が居住しており、国家的規模で外国人や外国人家庭に対する支援や教育、福祉サービスを様々な面で行ってくれています。その一環で、私は韓国に渡ってすぐに、図書館で無料の韓国語講座を受け、子供を出産してからは訪問育児指導も定期的に受けました。訪問育児指導ではただ子供の成長を確認し、安全教育や栄養教育をするだけでなく、韓国でお母さんたちが昔から作ってきたトッポッキなどの間食の作り方も教えてくれました。今でも地域の住民センターで開かれている様々な生涯学習講座を受講する際には、多文化家庭ということで私自身も、私の家族も30%割引価格で登録することができます。

 

外国人向けのサポート

我が家のような、親のどちらか、あるいは両方が外国人である家庭を多文化家庭と呼び、そういった家庭を様々な面でケアしてくれる地域の施設を多文化センターと言います。まだまだ始まったばかりではありますが、多文化センターでは多種多様な背景を持つ外国人が韓国に定着するのを助ける為に様々な取り組みが行われています。私の受けた韓国語講座や訪問育児指導ももちろんそうですが、他にも子供の勉強を助けてくれる訪問学習指導、文化摩擦から生じる夫婦間の葛藤を解消するための夫婦相談サービス、家庭や職場で不当な扱いを受けた際に法的措置をとったり、暮らしの中で生まれる様々な法律上の問題を扱う、外国人法律無料相談サービスなど、様々な面で外国人の暮らしをサポートしようとしてくれています。

今日は韓国伝統料理を教えてくれる、多文化センター主催のお料理教室に行ってきました。これも市から援助が出るということで、受講料は無料、材料費もなし、しかも作った料理を持ち帰るためのタッパーまでいただけちゃいました!朝10時半に、近所に住む多文化センターで仲良くなった在韓20年の明るく気さくなお姉さんと一緒に、バスに乗って楽しく行きました。到着してみると今日もたくさんの日本人が来ていて、私もここぞとばかりに日本語をいっぱい喋りながら楽しく料理を習いました。

ところが、調理実習が終わり、お昼ご飯を皆で食べながら楽しく喋っているときに、前の席に座っていたそのお姉さんが、隣の人と一緒に、「私たちもう行かないと!」と言って立ち上がるのです。驚いた私が「何かあるんですか?」と尋ねると、髪を染めに行くと言います。もともと気の合うお姉さん同士、一緒に調理実習をしながら話すうちに、安くて上手にやってくれる美容院があるから、今日帰りに一緒に行こう、ということになったようなのですが、突然立ち上がって「帰る」と聞かされた私は、びっくりしてしまいました。行きが一緒だったから、帰りも当然一緒だろうと思っていたからです。帰りが別々になるなんて、想像すらしませんでした。もちろん忙しいお姉さんなので、事情があって先に帰ることもありえるし、必ず私と一緒に帰って欲しいというわけではないけれど、一言事前に話して欲しかったというのが私の本音です。

 

韓国は自由な国なのか!?

初めて韓国に来た頃、ここは自由な国だなあと思いました。夜でも普通に大きな声でアパートの階段を登っていくし、バスの中でも当たり前のように大声で電話しているし、言い争いも日常茶飯事。日本人のように型にはまっていない、言うべきことははっきり言う、そして融通のきく国です。以前近所の店で2パック5000ウォン(500円くらい)のイチゴを買おうとして財布を見たら4000ウォンしか入っていなかったので、手持ちがないからやっぱりやめると言ったら店の主人が4000ウォンで売ってくれたこともありました。そんな融通の利く、自由奔放な国に長く住んでいるからかも知れませんが、在韓20年のそのお姉さんのとった行動は、まだ韓国に来て間もない私にはちょっと衝撃的な出来事でした。

 

まとめ

外国に長く住んでいると、考え方がその土地に馴染んでくるので、日本人の振舞い方や思考パターンを忘れてしまうことはよくあることです。でも私は、韓国人の自由さ、心の広さはとっても素晴らしいし、是非自分もそうなりたいと思うけれど、一方で日本人の細やかさも忘れたくありません。せっかく日本を飛び出したのだから、私の第二の故郷となるこの韓国で、韓国文化のいいところを吸収し取り入れつつも、日本文化のいいところ、日本人のいいところを忘れずに、両方のよいところを自分のものとして生きていけたらいいなと思います。