突然の告白

代表取締役にも「メールを返してあげてね」と言われてしまったのでメールを開くと、そこには「今日は本当に楽しかった。こんなに楽しいの初めてかもしれない。もちかは運命の人だと感じる。また一緒に食事にいってくれますか?」と書いてありました。

その後の2通のメールには「いきなり運命の人と言って驚いたか?ごめんなさい」「嫌いになりましたか?ごめんなさい」と。それぞれ2時と4時に受信していて私がメールを返さなかったせいで寝られなかったのか、と罪悪感にかられ、すぐにトーマスの部屋に行きました。

決して嫌いになったわけではなく、私も「人生で初めてあんなに色んな話を出来た」事とまた食事に行きたいという思い、キスで驚いてメールを返せなかった事を正直に話しました。

すると彼はパっと表情を明るくし「本当に良かった。僕は本当にもちかが運命の人と思うので、嫌われたらベルギーに帰ろうかと思った」と冗談なのか本気なのかよくわからない事を言いました。

それから真面目な顔になったと思うと「僕の彼女になってくれませんか?」といきなりの告白。驚きと同時に胸が躍るような、喜びが込み上げてくるのを感じたとき、私の中でも「この人は運命の人かもしれない」という思いが大きくなりました。そして、私が出した答えはもちろん「はい」でした。

外国人と交際経験のある友達に言われた言葉

トーマスと付き合う事になってから数日後、私は数少ない数人の友達とみんなで飲みに行くことになりました。その中に韓国人、アメリカ人と交際経験のある友達が一人いて、「ベルギー人と付き合うことになった」というとその友達から「付き合うっていうか”お試し期間”かもしれないから気をつけなよ」と忠告されたのです。

外国人との交際には「お試し期間」なんてものが存在するのかと驚きました。こんな事で驚いた理由はトーマスと出会うまでは日本人としか、それも1人の男性としか交際経験がなかったので、交際期間は長かったのですが、自分でも恋愛経験は浅い方だと思います。

外国人と交際経験のある友達の言葉をきっかけに、他の友達からも「出会ってすぐに告白とか超怪しい」「立場利用してそれってセクハラじゃん」などネガティブな意見が沢山出てきました。

人には流されないタイプだと自負していましたが、さすがにこの時は「やっぱり”日本に住んでる外国人”のトーマスは遊び人で、私の事は遊びなのではないか?」という不安がもやもやと、胸の中で広がって行きました。

付き合ってしばらくの間は「遊ばれているのではないか」という不安が心の隅に鎮座していましたが、トーマスの誠実な振る舞い、時には自分を犠牲にしてまで私に尽くしてくれる姿を見て、トーマスを疑っていた自分がとても悪い人間に思えてきたのです。

交際が進み、友人たちとの飲み会にもトーマスを同伴するようになると、トーマスに実際に会った友人達からは「この男は間違いない」や「良物件捕まえたじゃん」と友人達からお墨付きの言葉を頂くまでになりました。

毎日終電までのデートと週末プチ旅行

公私混同はしない性質……でしたが、トーマスの方は仕事中でもおかまいなしにさりげないスキンシップや、愛の言葉をメールしてきます。周りの社員も私達の事は知っていたので、何も隠れる必要もありませんでしたが、そこは日本人気質というか、恥ずかしがりなのもあって最初は毎回顔から火が出るような思いでした。

会社帰りに食事したり、映画をみたり。私達は家が逆方向だったので、終電までの数時間を会社のある街で過ごすのが日課になりました。オシャレなレストランから、立ち飲み屋まで、色んなお店を開拓するのが私達の趣味の1つになりました。

元々オジサマ御用達のお店が好きだった私と、昭和感溢れる場所が大好きなトーマス。それもお互いに運命を感じた理由の1つでした。

休日にはお互い温泉好きだったので、レンタカーを借りて関東近郊に日帰り温泉旅行にもよく行き、とにかく趣味趣向がよく合ったのです。(ベルギーの免許は翻訳と視力検査のみで日本の免許に切り替える事ができます)

くだらないジョークや、二人だけが理解できるような造語を作って爆笑する事も多く、本当にトーマスといると毎日が楽しくてしかたありませんでした。時には小学生のように無邪気に公園で遊んだり、そうかと思えば冷製沈着にトラブルに対処するトーマス。仕事も本人は「適当にやってるだけだよ」と謙遜していましたが、代表取締役にも評価されているのは、公私ともに仲の良い二人の様子を見れば一目瞭然でした。

私にはない頭の良さ、要領の良さ、行動力を持ち合わせていたトーマス。そんなトーマスへの尊敬の念と愛情は日ごとに強くなるばかりで、たまにする失敗すら愛おしく思えたほどでした。

ベルギー人の面接官が私の結婚相手なの?(もちか)さんの体験談④