チェコ

 

30歳を機に海外へ。アニメオタクだと嫌った彼と、今は幸せに暮らす。

人生には節目がいくつかあります。30歳を前に、自分の人生を見つめなおす人も多いと思います。毎日仕事に一生懸命で、気が付いたら30歳になるのだけど、これからもずっとこのままの人生なの?と、私は思いました。

 

仕事を辞めて海外に

その頃の私は、結婚の話も無い、仕事は順調だけど、だから余計にこのままずっと仕事だけして生きていく事になるのではないかと、恐れみたいなものを感じていました。ずっと真面目に働き続けたお陰で、貯金はそれなりにありました。

そう思った私は、仕事を辞めて、海外に出てしまいました。両親に全く相談をせず、全て自分で決めてしまった私は、両親からとても非難されました。海外に出る事は、周りの目を避けるという意味でも都合が良かったのです。

それからは、昔からやりたかった芸術の学校に入り、それが終わると、ヨーロッパを旅して回りました。毎日、美しいと思う景色を見つけては、ただそこにボーっと好きなだけ座っていました。

見て回った中で、気に入った国は、チェコ共和国でした。チェコは、ヨーロッパの中央あたりに位置し、各地を回るには良い基点でした。そして、ヨーロッパの西の方で感じた、人々のツンとした冷たい態度を感じなかったのです。

チェコ人も決して、日本人のような「お客様は神様だ」というサービス精神はありません。店のレジひとつを取っても、対応は冷たく感じます。

でも、困っている人には優しいと感じました。道に迷っている時、切符の買い方が分からなかったとき、面倒くさそうに対応する人はおらず、みんな優しく助けてくれたのです。そして、感謝する私に、照れながら笑顔を返してくれたのです。私はこの照れ笑いを、とても久しぶりに見ました。日本人に近い物を感じました。

そして、この国でならやっていけると感じました。

 

このままではいけないの不安

ヨーロッパを回って2か月間、好きに楽しんでいました。そうしていると、今度はこの状態にも、このままではいけないと言う危険を感じてしまい、きちんと何かを始めようと思いました。一度日本に戻って働き、それからまた、ヨーロッパに出ました。

私が選んだ国は、気に入っていたチェコ共和国でした。ここで仕事を見つけて働くと決めて、日本を出ました。

まずは語学学校に入りチェコ語を学び、その間に、自分が学んだ芸術関係の仕事ができる工房を探して回りました。人から聞いた情報や、ネットなどで工房を見つけ、国内のあちらこちらの工房を訪ねて回りました。でも、簡単に、外国人の私を働かせてくれる工房は見つかりませんでした。

今思うと、かなり無謀な行為だったと思います。チェコ語もままならない、アジア人でどこの誰かも分からないような、小さな女がひとりで工房を探しているなんて、あちらも警戒します。

知り合いの少なかった私は、情報も少なく、取りあえず工房があると聞くと、片っ端から当たりました。そうすると、何かに繋がるものなのですね。親切なボスと職人のいる工房が見つかり、私を受け入れてくれました。しかも私の住んでいた街のとても近い場所にあったのです。

そこからは、全てが順調にトントン進みました。

 

チェコ アニメヲタク

 

旦那との出会い

ある日、友達の紹介で、ひとりのチェコ人男性と会いました。その友達は、チェコ人と結婚した日本人女性で、彼女の旦那さんが、日本に興味のあるチェコ人男性を連れてきたのです。

日本語を勉強していた彼は、私から日本語を学びたかったのです。私も、チェコ語の話し相手が欲しかったので、時々会って、会話をすることになりました。

私はここで働いて、自分の技術を磨きに来たので、正直結婚する気はありませんでした。それに、当時の彼は、私の好きなタイプではありませんでした。ヨーロッパ人ですから、背も高く、スラっとした体系は良かったです。でも、日本のアニメオタクだったのです。

オタクに対するイメージが悪かった私は、親しくしようとする彼を、出来るだけ遠ざけようとしました。でも、数回会っているうちに、彼がアニメだけではなくて、日本映画やお茶、日本文化そのものが好きなのだと分かったのです。

しかも、その知識の多さや、お箸を上手に使う様子を見て、段々と彼を尊敬し、好意を持つようになりました。そして結婚、息子も産まれました。反対していた両親も、かわいい息子を見て、すっかり昔の事は忘れてしまったようです。

 

日本アニメは好かれている

日本文化は、とても独特です。ヨーロッパ人からしたら、畳という床のような場所に座ること、床にひいた布団に寝る事からして不思議なのです。それに、寿司や茶道、柔道や剣道、アニメやゲームなど、とても幅広く、他とは違う優れたものを日本は持っています。そして、それは評価されています。

なので、日本好き、もしくは興味を持っている人は世界中に沢山います。今の若者は、アニメやゲームが、日本文化の入り口かも知れません。そこから入って、日本に興味を持ち、日本人と知り合いたいという人は、多いのです。

チェコでは、毎年、アニメフェスタという祭典が開かれます。そこで流されているのは、殆どが日本のアニメです。フランスのパリでも、大きなジャパンエキスポが開かれ、日本アニメの登場人物にコスプレした人が集まります。本当に、海外では日本のアニメは人気が高いのです。

日本では、アニメなんて子供が見るもの、もしくは、夜中にテレビでヤラシイ感じのアニメがあって、それを見るのはヘンタイだとか、オタクだと、私は思っていました。でも、こちらの人は、純粋にそんな日本アニメを面白いと感じて、オタクではなく、普通の若者がそのアニメを見ているのです。

初めて友達に連れられて、チェコでアニメフェスタに行った時は、驚きました。小さな映画館にぎっしり、座席に座れなかった人は床に座り込んでまで、アニメが流れるスクリーンを見上げていたのです。それが、みんな爽やかな青年ばかりだったのです。この時私の、アニメはオタクという考えは一瞬で消えました。

 

まとめ

日本文化を好きな外国人は沢山います。日本は興味を持たれています。それは、とてもラッキーなことです。ちょっとした手作りの日本料理だって、折り紙の鶴だって、彼らには特別な物で、とても喜ばれます。

世界中で開かれている日本文化に関するイベントは沢山あります。そこには、日本に興味がある人が集まっているのです。旅のついでに覗いてみると、何かよいきっかけを掴めるかも知れません。