30代半ばの主婦です。海外在住です。クラウドウォークスを始め、細々と在宅で仕事をしています。オンライン翻訳サービスで英和翻訳をしています。
7歳年上の夫はスペイン人。生まれも育ちもスペインです。結婚12年になります。子供は小学生と幼稚園の二人で、二人ともスペインで生まれました。
ずっと夫の国スペインに住んでいたのですが、夫の仕事の関係で数年前にイギリスの田舎町に移住することとなりました。
そもそも私と夫の出会いはイギリスでした。お互いに語学留学していたとき、語学学校で知り合ったのです。同じクラスで席を並べて英語のレッスンを受けました。当時はお互い学生でした。私が大学2年の時だったはずです。
国際長距離恋愛はやはりとても大変です。一つ目の壁は時間と物理的な距離でした。会えない時間が長いですし、当時は今のようにスカイプやLINEなんていうものが無い時代だったので、国際郵便で手紙をやりとりしたりしました。
もちろん、毎日のようにEメールは交換し合っていましたが、今では当たり前になっているチャットなども、私と夫の間では使用したことがありません。
たまに声が聞きたくて国際電話をかけてしまったときには、高額な電話代がかかりました。
現在は無料で国境を越えてすぐにやりとりできるツールがたくさんありますから、国際長距離恋愛もそれほど壁の高いものではなくなってきていると思います。オンラインで常に一緒に居られるような感覚になれるでしょうし、お金もかかりませんからね。
二つ目の壁は手続きの面倒臭さ。国によって、婚姻にかかる手続きは様々。婚姻手続きというと、日本では婚姻届に記入して役所に提出してしまえば結婚できますが、国によって(かなり多くの国では)結婚には面倒な手続きが伴うことが多いです。
まずそういう情報収集から始めないといけません。旅行者としてその国に入国して婚姻届を出すことができない場合もあります。
婚約者ビザやフィアンセビザのある国では、そのようなビザを申請し取得してからその国へ入国し、婚姻の手続きを始めることになります。
そういう手順をきちんと踏んで居ないと、婚姻が認められなかったり、不法滞在になってしまい違法になることもあるからです。そうするとその国へのその後の入国や滞在が難しくなる場合があります。
婚姻に長い時間がかかる国も割とあります。日本では結婚しよう!と決めたら即日結婚できてしまいますが、国際結婚ではそういうわけにはいきません。
まず日本側の戸籍や書類を用意し、それを結婚したい相手の国の言語に翻訳し、翻訳したものを持って私は外務省に行き、アポスティーユ証明という国際的な証明印を押してもらいました。
その後スペインの場合ですが、役所に婚約の希望届を出すと、面接日が指定され、その面接日までまず待ちます。結婚面接を受けたい人がたくさんいる場合はウェイティングリストに載るので面接日まで結構待たされます。
面接では、二人が本当に愛し合って結婚したいと思っている関係なのか、偽装結婚ではないのかの確認、結婚後、国籍をどうするのか、夫となる人は自国できちんと仕事をしているのか、給料はいくらかなど、いろいろなことを聞かれます。
面接後、結婚の許可が下りないこともあります。私たちは幸いすぐに結婚の許可が下りましたが、その役所で結婚式を挙げられるのは半年後ということで、それだと私の滞在ビザが切れてしまうため、大急ぎで他の市で結婚式が挙げられるかどうかを調べました。無事、田舎町の役場で式をあげることができました。
3つ目の壁は、やはり文化や言葉です。私はスペイン語0の状態でスペインに行きました。いけばなんとかなると思っていましたがそんな生易しいものではなく、やはり言語を習得するには正しく学習することと、その言語を習得したいという意欲がないと上達しません。
スペイン語はなかなか上達せず、滞在5年くらいになったときにもまだイマイチで、これはいい加減にやばい、と焦った思い出があります。
スペインって、ヨーロッパだしと思って簡単に考えて居ましたが、ヨーロッパでも国によって文化風習暮らし方は全く違い、スペインにはスペインの、びっくりな事実が山のようにありました。
日本で清潔であること、きちんとすること、時間を守ることなどを教えられて小さい頃から育ってきた私には、受け入れがたい不衛生なことや、人やサービスがあまりにも適当でいい加減なこと、時間に非常にルーズ(良く言えばおおらか)な文化はショックなものでした。
日本では24時間年中無休のコンビニにや、明けがたまで営業しているスーパーなどがごまんとありますが、スペインでは祝日はお店が閉まり買い物ができない、昼過ぎ1時2時くらいから夕方5時くらいまではシエスタタイムとしてお店が一度閉店したりして、不便だと感じたこともたくさんあります。
そういう不便さやカルチャーショックも、冒険の一環のような感じで楽しめる人には国際結婚は愉快なものになるかもしれません。スペインはよい国でしたが、暮らすのは大変で私個人にはあまり合わない国だったのかもと思います。
せめて言葉が分かって居たら違ったのかもと思います。国際恋愛の間は二人の間で通じる言語で話していれば良いですが、国際結婚となって相手の国に移住するときは、やはりその国の言葉をある程度知っておくことが必要だし、それでだいぶ、生活が楽になると思います。