イタリア人とスペインでの事実婚

 

イタリア人の夫と出会ったのはスペインです。お互いにアートの勉強をしに来ていた学校で出会いました。最初はクラスメイトとして仲良くしていましたが、目標としているものが同じで大変共感できたこと、お互いに一緒に居て一番居心地が良かったことなどからお付き合いに発展し、二人でスペインに残ることを決意しました。何から何まで大変だった、外国人二人のスペインでの事実婚申請までの道のりを書こうと思います。

私たちが出会ったのはスペインのアンダルシア州。マドリードやバルセロナといった大都市ではなく、スペイン南部の田舎町です。今まで北米に住んでいたため、外国人とお付き合いするのは初めてではありませんでしたが、北米の男性とイタリア人男性はここまで違うのか!!と驚かされることの連続。お互い一番居心地の良い欠かせない存在ではありますが、毎日小さな驚きは今でも続いています。

まず、北米の男性というのは、女性に対して良くも悪くも平等です。デートで食事をしても割り勘はある意味当然ですし(相手が金銭的に余裕がある場合を除いて)、とにかく外見にものすごく気を遣います。一言で言って、歴史が浅いことからくる外見一点豪華主義と言っても良いかもしれません。大都市部では女性がバリバリキャリアを積むことも普通で、女性の方が稼ぎが多いなんてこともごくごく普通。ひと昔前の日本人夫婦のように、男性が外で働き、女性が子供を育てる、という風潮はまったくありません。

ところが、ヨーロッパでは男女関係はまだまだ古典的。資本主義が根付いていないことも大きな原因かと思いますが、男女はまったく違う扱いを受けます(ラテン文化のみかもしれませんが)。ある意味、恋愛においては生涯現役、でもパートナーと呼べるまで発展させるには随分保守的、という印象です。カトリック系が強いイタリアやスペインでは、結婚後または結婚中は、日本人男性より誠実と言えるかもしれません。

私たちは、フランスとスペインにのみ存在する制度、事実婚申請をしました。婚姻との違いは2点のみ、関係を解消する場合裁判を要しない(どちらかが別れたければ別れられる)、金銭的な義務を生じない、です。この事実婚は、スペイン内では夫婦と同等の扱いですので、公式なカップルと言えます。私は姓を変えたくなかったため、この事実婚を選びました。

イタリア人とお付き合いしている、または結婚している女性が必ず直面するのが”ママン”問題です。全員とは言いませんが、大多数の方がそうじゃないでしょうか。

イタリア人男性にとって”ママン=お母さん”は命。一言で言ってマザコンなんです!何をするにも、まずママンに確認。ママンのゴーサイン無しにはコトが進みません。アパート選びから、家具から何から、全ては彼女のOKが出て初めて彼が首を縦に振ってくれます。ここで「私とママンとどっちが大事なのよ!」なんて禁句。きっとママンが選ばれることでしょう。

二人で居るときは、常に大事にしてくれるし、おおらかだし、全て好きなようにさせてくれるので、本当に幸せです。ただ、イタリア人男性はなんだかんだラテン気質なので、ヤキモチには要注意です。

日本人カップルのように、夫と妻が別々の飲み会に参加なんてことはまず許されないですし、過去の恋愛のあれこれにまで首を突っ込んでくることも普通なので、不要なケンカを避けるためにも身辺は常にクリーンにしておく必要があります。こちらは別に浮気なんて考えてもないのですが、男友達(大学時代の同級生など)という時点でアウトなのがちょっと大変です。

それに付随して、時間の過ごし方。同じくイタリア人夫を持つ友人と話して大きく共感したのがこの問題。とにかく家族で一緒に過ごすことがプライオリティ中のプライオリティであるイタリア人にとって、仕事以外の時間は全てファミリータイムです。毎日24時間一緒、なんてことも普通。仕事に行ってもチャットで常に近況報告。たまには友人とショッピングしたり外でゆっくりしたいなと思っても、家でずっと待っている夫がこまめに連絡してくるので、完全に自由に一日のんびりすることは難しいです。常に外で友達とワイワイしているイメージの強いイタリア人ですが、実際のところほぼ毎日ファミリーで過ごしている人が多いのではないでしょうか。

色々大変なこともありますが、国際結婚は自分には合っていると思います。日本のような人間関係のしがらみもまったくありませんし、毎日新しい発見や、日本人の私と違った視点で意見がもらえることも興味深いです。日本人サラリーマンと結婚していたら金銭的にどんなに安定していただろう、なんて想像してみたりしますが、波乱万丈、ファミリー命でサポートしてくれる夫には感謝しかありません。

国際結婚となると、手続きも本当に大変ですし、夫側の出身国または第三国に住むと物理的にも日本の家族とは遠くなってしまいます。まずはしっかりお付き合いしてみて、第二の家族と呼べる相手に出会えたと思えるなら、ぜひオススメします。