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友達の紹介で出会った中国人の王くん(仮名、現在の夫)とお付き合いをすることになりました。そんな私たちが過ごした日々のエピソードをいくつかご紹介します。

お付き合い中のエピソード①彼の手料理

中国人男性の特徴

 

当時王くんは、中国人留学生の集まるシェアハウスで生活をしていました。シェアハウスといっても、一軒家を一部屋ずつ間借りしているだけで、王くんの場合は他の留学生との交流は全くありませんでした。

そんなある日、王くんの部屋に遊びに行くと、王くんが私の為に料理を作ってくれたことがありました。「りりちゃんは座ってて」と言って王くんが作ってくれた料理は4品。トマトと玉子の炒め物、ニンニクと豚肉の生姜焼き炒め物、角煮、海鮮スープという豪華メニューでした。

料理が美味しいのはもちろんのこと、私の為に料理をしてくれる王くんに、とても感動したのを覚えています。しかも、海鮮スープの蟹は、生きている蟹を魚屋さんで買って来て、台所のシンクに放ち、素手で気絶させて鍋に放り込むと言うワイルドな方法で作っていました!

王くんは福建省の海沿いの村の出身で、海と共に育ったので、魚のおいしい、まずいにはとても敏感でしたし、王くんのお母さんの料理方法をしっかりと引き継いで美味しい味を再現していました。

日本人の彼氏と彼女と言うと、彼氏の為に頑張って手料理を作って、彼の胃袋を掴みましょう!というのが定番ですが、中国の場合は、彼女のために手料理を振舞ってくれる男性が、王くんを含めたくさんいるのです…!

その当時、文化の違いとして面白いと感じたのは、王くんの食に対する情熱です。私は日本人なので「毎回の食事に手間暇をかけて、美味しい物を味わって食べる」というよりは、「安くて便利で簡単!だけど美味しい!」という物が良いと信じていました。

もちろん王くんもそれを否定はしませんが、「美味しいものを食べる事が1番。そのための手間やお金は、かける価値がある!」という考え方を持っていました。

例えば私がスーパーで一気に何でも買おうとする一方で、王くんは肉はあそこの肉屋さんが1番だから、あそこへ行って、魚は少し遠いけど隣町の魚屋さんで美味しいものを買おう。アクはちゃんと取って、少し冷ましてから、完璧なタイミングでお味噌を入れなくちゃ…といった事をひとつひとつ丁寧に行います。

初めての王くんの手作りの料理を食べた時に言われた言葉が「ゆっくり食べよう」です。その時は一瞬何の意味だか分からなかったのですが、王くんが「好きな人と食べる特別な食事を少しでも長く楽しみたいでしょ」と説明してくれました。

日本人と中国人の食への考え方の違いを感じた出来事でした。

 

お付き合い中のエピソード②服を買わない理由

中国人男性

 

お付き合いを始めてから、初めて迎える冬がやって来ました。寒さが厳しい日が続いていましたが、何故か王くんはいつも薄着でした。余りにも寒そうなので、「もっと暖かいコート買いなよ〜」と王くんに言いました。

すると王くんはこう言ったのです。

「ユニクロのコートは1万円ぐらいする。お金ないし、1万円あれば、俺のお父さんとお母さん2週間ぐらい生活できるよ。美味しいものを食べれるよ。そう思ったら、冬はすぐ終わるし、なんか勿体ないって思っちゃう」

王くんの家庭は、そんなに余裕のある家庭ではありませんでした。なので、日本での学費や生活費はアルバイト代で賄わなければいけませんでしたし、少しでも余裕が出来れば、中国の家族に送金をしていました。

また、中国人である王くんは、親を大切にしたいという気持ち、親を尊敬する気持ちが、日本人である私の想像を超えるくらい強かったのです。付き合って来た頃から良く「お父さんとお母さんが10年長生きできるなら、俺の命を10年あげたい」と言っていましたし、「俺のお母さんは、かわいいんだ」などと本気で語ったりしていました。

王くんのコートを買わない理由は私に取ってカルチャーショックでした。私は両親のために洋服を我慢した事などなかったからです。それと同時に、「王くんとこれからも付き合っていって、結婚するとなれば、王くんだけでなく、彼の両親の事もしっかり受け止めなければいけないんだ」という重要なことに気づきました。

唯一の救いだったのが、当の本人が楽天的でのびのびとした性格だったことです。王くんの地元は海に面した沖縄のような暖かい地域で、海が近くにあり豊かな海の幸が取れた為、中国の山奥の地域のように深刻な貧困に陥る心配もなかったので、基本的に人々は明るく楽観的なようです。

この出来事も、明るいだけでない、王くんのバックグランドを知った出来事となりました。

 

お付き合い中のエピソード③面子を保つ

中国人男性

 

ある日、私はいつもの様に彼の部屋に遊びに行く約束をしていました。その日は私のアルバイトが終わってから彼の部屋に行き、お泊まりをする予定だったのです。髪を整え、メイクを直し、綺麗にして彼の部屋に向かいました。

彼の住むシェアハウスに入り、彼の部屋をノックしましたが、全く返事がありません。「今から行くよ〜」などと連絡を取れば良かったのですが、その頃は彼の部屋に行くことは日常茶飯事になっていたので、自分の家に帰る様な気軽な気持ちで彼の部屋へと向かってしまったのです。

おかしいな、と思いそっと彼の部屋のドアを開けると…

王くんのベッドに王くんと男の人が寝ていたのです!

動揺を隠せないまま、ベッドに寝ている王くんに近づき、王くんの顔を覗き込むと、かなりお酒を飲んだ様子…。

「王くん、王くん!」と強引に起こすと、「あれ?りりちゃん、どうしたの?」と寝ぼけています。「今日会う約束してたじゃん!」とムカムカしていたら、隣の男の人が起床。しばらくぼーっとして、やっと状況が飲み込めた様で「こんにちは。角ともうします。」とご丁寧にご挨拶をされました。笑

どうやら王くんは私との約束をすっかり忘れ、角くんとお酒を飲み、酔っ払った2人はそのまま寝てしまった…ということみたいです。

3人でぐだぐだしている内に、だんだん朝が近づいて来ました。すると王くんが急に「りりちゃん、コンビニで食べるもの買って来いよ」と亭主関白の様に命令して来たのです!

今までどちらかと言うと、大事に大事にされてきて、ご飯などまで作ってくれる王くんはまず間違いなく亭主関白タイプではありません。なのに、自分の友達の前になったら、急に私に威張り始めたのです。

角くんの前で喧嘩をしても仕方がないと思ったので、その時は何も言わず1人でコンビニに行ったのですが、急に豹変した王くんに納得のいかない気持ちでいっぱいでした。

3人で食事を取り、角くんは仕事があるから…と帰って行きました。「なんで急に威張って命令してきたの?」とずっと気になってきた疑問を王くんにぶつけても、「威張ってないよ〜約束忘れちゃってごめんね」といつもの王くんに戻って的を得ませんでした。

しばらくしてから私が自分なりに得た答えはズバリ

「王くんは友達の前で面子を保ちたかった」

です。

女性に尽くす男性が評価をされ、女性にモテる一方で、女に尽くしてばかりなんてダサいぜ!という男性の小さなプライドも存在するのです。

2人でいる時は、尽くして甘やかして大事にしたい彼女でも、友達の前では、彼女に尽くされている威厳ある男性を演じたいのです。

その面子を保つために、目をつむってあげるのが「良い彼女」で間違っても「いつもはこんなんじゃないんですよ!」などと言ってはいけないのです。これに気付いたのは王くんと出会って数年経ってからでした。

様々な出来事を通して、お互いを知り、カルチャーショックを乗り越え、王くんと夫婦になるのは、まだ少し先の話なのです。

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