前回の記事はこちらです。

 

初めてのデート

中国人男性 国際結婚

 

中国人の友達の紹介で出会った王くん(仮名、現在の夫)とメールや電話をする仲になっていた私。王くんはお金のない中国人留学生で、携帯電話を持ちながらも契約するお金がなく、スカイプで連絡を取っていました。

バイトの給料日前はお金がなく、スカイプカードさえも買えないので、連絡が途絶えたり。そんな状況でも細々と連絡交換を続けていました。

そんなある日、王くんから電話でデートに誘われたのです。

「あしたバイト代が入るから、遊びに行けるよ。りりちゃんに会いたいよ。」と誘われました。告白はされていないものの、可愛いね、会いたいよ、りりちゃんと電話をしてると俺ドキドキしちゃうよ、とさりげなく(堂々と?)アピールはされていました。私も王くんに惹かれ始めていたので、「いいよ」と返事をしました。

そしてその次の日、王くんのアルバイトが終わった後、王くんのアルバイト先がある池袋で待ち合わせをしてお食事デートをすることになったのです。

待ち合わせは夜の8時に池袋駅の西口。王くんの携帯はデータ通信が出来ない役立たずなので「着いたよ〜どこにいるの〜?」という待ち合わせメールは出来ません。電話も、いざと言う時の為にスカイプカードを使わずに取っておきたいという王くんの信念のため(泣)出来ませんでした。

私が池袋駅に着いた時には王くんはいませんでした。連絡が取れないので、仕方なく待つことに。しかし、約束の8時になっても王くんは現れません。15分ほど待ちましたが、王くんはいっこうに現れませんでした。

携帯さえあれば、王くんがどこにいるか確かめられるのに。遅刻する理由が簡単に分かるのに。王くんが来ない不安が、王くんが携帯を持たないことへの怒りに変わっていったその時…

王くんがにこにこしながら現れたのです。

髪はボサボサ、パーカーにジーンズ、スニーカーという姿で、何事もなかった様ににこにこしながら近付いて来ました。

王くんが来た瞬間「なんで遅かったの?!」と王くんに尋ねました。すると、王くんは「ん?」と聞き取れなかった様子。

「8時に待ち合わせしました。でも今は8時20分です。」とシンプルな言い方に置き換えて伝えると、「あ、そだね〜なに食べる?」とあまり気にしていない様でした。

ムッとしていると、「やっぱり、りりちゃん可愛いね。俺頑張ってたから、神様がご褒美をくれただね。」とニコニコしていました。

中国人の全体的な傾向だと思いますが、相手の様子を見て空気を読んで、それに惑わされてオロオロする…といったことは、ほとんどありません。ほとんどの場合あまり気にしていないのですが、明らかに怒ってる様子の場合「怒ってるの?」と聞いて「そうだよ。だって…」という相手の言葉を聞いて初めて、相手が怒っているという認識をします。

様々な言葉も価値観も違う人々が、かなりの大人数でひしめき合っている中国では、日本人の様に相手の細かい表情に注目して「相手の様子を読む」ということは不可能に近いです。

日本人はその場をつくろう為に本心でない事を言う事は、全体の調和を保つという意味で肯定的に捉えられる事ですが、中国人は全く逆で、言葉で伝えなければ伝わらない→本心でない事を言うことは無意味→言葉の重みが増していくという文化なのです。

小さな嘘を付くくらいなら、意見の違いを明確にして、建設的な話し合いをした方が円滑に事が進む、という考え方です。

例えば日本のグルメ番組では、必ずと言って良いほどリポーターは「うわー!美味しい!」などと言います。これは、「思っていたより普通」や「甘すぎて個人的には好きじゃない」などと本音を言ってその場を乱す事よりも、本心を隠してそれなりの事を言う事が「オトナ」「空気を読める」などと評価をされることです。

一方中国では、グルメ番組自体あまりありませんが、テレビで物を食べて、みんな口を揃えた様に「美味しい」と言う事はあまりありません。もちろん本当に美味しければ言う場合もありますが、「塩がちょっと多いね」「前食べた時の方が美味しかった」などと感想もかなり正直です。これは、本心でない事を言う人は誠実でない→あまり信用できないという中国人の考え方が影響しているのではないかと思います。

 

中国人男性 国際結婚

 

さて、あまりにニコニコ嬉しそうな王くんに怒る気も失い、気を取り直してお店に向かうことになりました。王くんが連れて行ってくれたのは、お洒落な雰囲気の居酒屋でした。「いつも前を通り過ぎる度に、いつかデートで来て見たいって思ってた」とのこと。

明らかに値段が高めに思えましたが、「友達がお金貸してくれたから大丈夫!」と言っていました。笑

友達も彼の行く末を陰ながら応援している様でした。

お店に入り、それぞれカクテルとチーズなどを注文。王くんはカタカナが苦手らしく、私が声に出して読み、どんなカクテルかを説明し注文をしました。

料理が揃い、いざ飲み始めると王くんが積極的にアプローチをして来たのです。「かわいいね」「飲んでるところ、かわいいね」「食べてるところ、かわいいね」など…。笑

とにかく褒めて褒めて褒めまくるというのが王くんの作戦だった様です。他の話題と言えば、王くんはひたすら自分のことを話していました。中国の家族のこと、昔の思い出、地元ではどんな風に海鮮を調理するのか…など。

これは、中国人だからと言うよりも、王くんが女の子に慣れていなく、何を話したら良いかわからないから、自分の事を話そう、という思考に陥った為だと思われます。

なにも違和感を感じなかったと言えば、それは嘘になります。当時の私は、自分の知らない世界が知れて面白いという気持ちももちろん持っていましたが、「なんだか自分の話ばかりだな…」と感じていたのも正直なところです。

ただ、そんな王くんを疎ましく思う事は全くなく、なんだか微笑ましいな、と感じていました。

 

中国人男性 国際結婚

 

ちなみに王くんから聞いた中学生の時のエピソードの1つは

「俺の地元はヤクザがいっぱいで、地元の友達のほとんどは、ヤクザと知り合いだった。男同士が喧嘩をするときは、必ず仲間と知り合いのヤクザを連れて行って、喧嘩をしたりしていた。俺の弟はヤクザの仲間になった時もあって、地元では有名人だった。肩からお尻まで龍の絵描いてる。(刺青の意。笑)でも俺は、そうゆうの、なんかビビしてたから(ビビっていた、の意。笑)おばあちゃんと一緒に遊んでた。え?おばあちゃんと何してたか?外に座って、ラーメン食べてた。」

というものでした…!!

王くんはお酒にかなり弱く、カクテル半分ぐらいで、真っ赤な顔をしてフラフラになっていました。酔いを覚ます為に少し外を歩くことに。池袋の街を2人で歩きました。

相変わらず王くんの話を聞きながら、ゆっくりと酔いを冷ましていたのですが、少し人気が少なくなったところで、王くんに急に「ぎゅーしてあげる」と抱きしめられました。そこで王くんに「りりちゃんが大好き。りりちゃんも俺が好きでしょ?」と言われたのです。

その自信はどこから来るんだ?!と聞きたくなる様な、あまりに王くんらしい告白に少し笑ってしまいましたが、その時にはもう私の気持ちは完全に王くんに傾いていました。

「うん、そうだね、好きだよ」と私が答えると「やっぱりね。そうだと思ったよ」と言っていました。「なんで?」と尋ねると「だって俺カッコ良いし、りりちゃんのこと大事にしてるもん」ということでした。笑

王くんは確かに日本人から見てもイケメンで、中国の地元の村では1番のイケメンと言われていたそうです。その為、自己肯定感が高く自信満々な性格に育っておりました。笑

兎にも角にもこれが私たちのお付き合いの始まりとなりました。

それから王くんは私に、ディープで目から鱗の「中国」の世界を教えてくれるのです。その世界は日本人の私からすると、今まで築き上げてきた日本的な倫理観をガラガラと崩される様な驚きと感動(?)だったのです…?

ちなみに…

当時の私は21歳。王くんは23歳でした。私は王くんにとっての2人目の彼女で、王くんの元カノは村の幼馴染の女の子。しばらくしてから元カノの微博(中国のSNS)のページを見ると、びっくりする程美人でスタイル抜群でした。村で1番の美人だったそうです。中国語で「私は遠くに行ってしまったあの人の事を一生忘れない。あの人が別の人と結ばれても、私はあの人を待ち続ける」と書かれていました。王くんに言わせれば、もう別れたから関係ない。でも、こんな美人にこんなに想われてる俺ってやっぱり凄いでしょ。アハハ!だそうです。笑

次に戻る

前に戻る