空を舞う火山灰に阻まれた結婚式

6年前に、フランスにてフランス人の彼と結婚しました。

出会いは当時二人が住んでいたパリだったのですが、その後彼の仕事の関係でフランス中部の地方都市に引っ越しました。

フランスでの結婚は書類手続きが大変だと言われていましたが、提出先がパリではなく地方だったこともあってか、必要以上に待たされることも困ることもなく、着々と準備を進めていました。市役所での結婚式の後、石造りの可愛らしい教会に場所を移しての教会式、高台のお城を改装したレストランでのパーティー。私はキリスト教徒ではないので、教会に通って神父様のお話を聞くという準備も必要でした。

それまでに私はパーティー以外のフランスの結婚式に参列したことがなかったので、なかなかイメージもわきませんでしたが、衣装も整い、ブーケや食事などの具体的な準備が始まるといよいよなんだと胸をときめかせていました。

そんな式の一週間前、事件が起こりました。

アイスランドで大規模な噴火が起こったのです。火山灰の影響でヨーロッパの空路はほぼ全滅、大混乱となりました。困ったのは私の両親のこと。間もなく日本を出る予定だったのです。

毎日毎日ニュース様々な航空会社の情報を見ましたが、相手は自然。どうなるのかまったく予想がつきません。しかも両親は中国地方に住んでおり、大韓航空でソウル経由の便を購入していました。問い合わせをしても、当日にならないとなんとも言えないとの回答でした。

出発当日、両親は準備を整え空港に向かいました。チェックインカウンターでの答えはノー。ソウルからパリへ飛ぶ便は欠航が決まったというのです。日本は出発できても、ソウルまで飛んでその後飛行機がなければその場で立ち往生です。両親は泣きながら空港を後にしたそうです。その連絡をフランスの夜中に受けた私も号泣しました。どうして今なのか、どうして日本はこんなに遠いのか。空路がなければどうしようもありません。国際結婚の厳しさを早速実感することになったのです。

ヨーロッパまでなんとか来てくれたら、後は陸路で移動ができると思い、母は旅行会社に到着地はどこでもいいからヨーロッパまで飛べる便を探してくれと頼んでいましたが、期待はしないでほしいとのことでした。両親不在のまま式を決行するのか、私たちは悩みました。

しかしその時、明後日発のアムステルダムまでの便が取れるとの連絡がありました。急なことですから費用は通常の3倍。しかし結婚式は一生に一度です。両親は新たにアムステルダム行きの航空券を買いました。

それから私は大急ぎでアムステルダムまで迎えに行く手段を整えました。空路が混乱している今、パリとアムステルダムをつなぐ列車タリスは満席。仕方なく高速バスで向かいました。夜行で向かい、早朝にアムステルダムにつき夕方両親を迎え、また夜行バスでパリに帰る。それからさらにパリから式を挙げる街まで3時間半の列車の旅。でも参列できる!

初めてのオランダ、情報もなければ話せるのは私がフランス語のみ。緊張の1日を過ごし、アムステルダムのスキポール空港で両親の顔を見た時は、抱き合って泣きました。

結婚式前々日に花嫁である私がオランダまでの往復、2晩の夜行バス泊。疲労と緊張で戻った時にはボロボロでしたが、なんとか式の前日に到着できたのです。

その後の結婚式は素晴らしいものとなり、今ではこの一連の話もいい思い出です。

(フランス在住 37歳女性 rara)さんより