中国系タイ人

 

中国系タイ人との出会い

タイ系タイ人の彼と別れた私でしたが、タイへ行きたい思いもタイ語をマスターしたい思いも変わらなかったため、自己開拓でタイ語の先生を見つけることにしました。インターネットでいろいろ探していたところ、SAWASDEE KAPPOMという、タイ人と日本人が交流できるサイトを発見し、早速中を覗いてみました。

登録者は日本に興味があるタイ人とタイに興味がある日本人で構成されており、日本に住んでいるタイ人もいるしタイに住んでいるタイ人もいました。このサイトでは交流だけでなく、タイでの就職情報や生活情報の掲載もあり、日本とタイの架け橋になっている印象を強く受けたため、早速私も登録することにしました。

年齢、性別を入力し、自己紹介には「私はタイ語を勉強していますが独学で勉強しています。ぜひタイ語を教えてください。」という内容を英語とタイ語で書いてみました。また、写真を貼る箇所もあったため、直近で撮った写真を貼り付けてみました。

しばらくすると、男女とも多くのタイ人から連絡があり、中には私のことをタイ人だと思い込んで「あなたは日本人のような顔立ちのタイ人ですね。私とメールしませんか。」という日本人からも連絡が来ました。最初の頃、私はメッセージをくれたタイ人全員に返信していましたが、1日メッセージすると返信が来なくなる人が多く、常にいろいろな人と入れ替わりお話ししていました。

登録から2日経った頃、1通のメッセージが届きました。「僕は東京の大学院に通うタイ人です。しかし、英語のコースにいるため、普段は英語しか話しません。日本語を学びたいのでぜひお話しませんか。英語でもタイ語でも日本語でもOKです。」といった内容が書いてあり、感じのよいベージュのスーツに赤い蝶ネクタイ姿の写真が貼り付けてありました。

見た目がタイ系タイ人の雰囲気とは少し違ったため、ハーフかウォーターかなと思いながら返信してみたところ、すぐに「返信ありがとうございます」という内容が返ってきて、その日から彼とメッセージをやり取りすることが始まりました。

このサイトはポイント制で、私は登録後すぐに多くのポイントを使ってしまったため彼とは1日1通しかメッセージのやり取りができませんでしたが、それでも彼は待っていてくれて毎日必ず日本語とタイ語を交えた丁寧な返信をくれました。彼はまだメッセージのやり取りしかしたことのない人でしたが、彼のいつも真正面から私に向き合ってくれる内容のメッセージを読んでいると、タイ系タイ人との別れで傷ついた私の心は段々と癒されていくことを感じました。

タイ 国際結婚

 

会うまでの道のり

1日1通のメッセージではお互い我慢できなくなり、直接連絡を取ることにしました。SNSでやり取りをし始めて1ヶ月くらい経った頃、メッセージだけでは物足りなくなったため、ビデオコールをすることにしました。初めてのビデオコールで見た彼の顔は、私の一つ年上とは思えないほど幼く、ピュアな印象を受けました。つぶらな瞳に笑うと見える八重歯がなんて可愛いのでしょう!私はいつしか彼の虜になっていました。

「写真を見てわかると思うけど、僕は中国系タイ人だよ。僕のお祖父さんとお祖母さんは中国人で、僕の家族にはタイ系の人が一人もいないから、僕の体に流れる血は中国の血だよ。でも中国語は話せないし、中国を身近に感じることはない。心はタイ人だからね。」という言葉を聞いたとき、私はタイという国には様々なルーツを持つ人が共生していて、互いに受け入れ認め合い、一つの国家を作り上げることの壮大さを強く感じました。

日本はほぼ単一民族の国のため、“○○系日本人”という言葉には馴染みがありません。彼が生きてきた軌跡が知りたくなりましたし、タイに対する興味がさらに強くなりました。彼も私と同じ気持ちでいてくれたようで、「もっと話したいから、毎日ビデオコールをしよう」と言ってくれたため、それからは可能な限り毎日ビデオコールをするようになりました。彼にもっとタイ語で話したいという気持ちが日に日に強くなり、私はタイ語の勉強にさらに励むようになりました。

やり取りを初めて1ヶ月半くらい経った頃、私は彼の住む東京に出張で行くことになりました。それを彼に伝えたところ、「ぜひ会いたい」と言ってくれたため、実際に会うことになりました。

タイ 国際結婚

 

初めてあった日

私は新幹線で東京まで行ったため、彼は改札口で迎えてくれました。「サワッディーカー(こんにちは)!」と言う私に対し、彼は目を合わせてくれません。一緒に歩いていてもよそよそしく、どうしたのかと思ったところ、彼が緊張で震えていることがわかりました。

彼はまともに女性と付き合ったことがなく、女性に対する接し方がよくわからないため、非常に緊張していると言っていました。ビデオコールでの饒舌さはどこに行ったのかと思うくらい不器用なところに彼のまじめさを感じ、これも彼の魅力だと思いました。

タイ系タイ人の彼は平気で「美人だね、好きだよ」と言うことを初対面のときから言っていましたが、中国系タイ人の彼は目すら合わせてくれません。この様子の違いは、同じタイ人でもルーツが違うことによる考え方の差から出てくるものだということを、後から彼に教えてもらいました。

しかし、一緒にいる時間が長くなると彼は緊張が解けてきたのか、少し話すようになりました。「東京駅で缶バッチを買ってきた」言って可愛いラスカルの缶バッチをくれ、これが彼からもらう最初のプレゼントになりました。彼は私の大きな荷物を私の宿泊先まで持って行ってくれて、さりげなく女性を気遣う姿に紳士的な雰囲気を感じました。

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