実際の初対面
会える日を心待ちにし、カウントダウンをしていた私たちは、実際にその日を迎えます。
グアムの空港に降り立ち、実際に彼と対面を果たしたときは、うれしさと緊張が混ざっていました。
毎日、何度も話していた彼ですが、やはり初めて対面するのは緊張します。
予約していたホテルまで送ってもらい、荷物を置いた後は、彼が計画したグアム観光に出かけました。
海や泳ぐことが大好きな私を楽しませるために立てた計画らしく、ホテルのバイキングやビーチなどを楽しみました。
初めてのシュノーケリングにも挑戦しました。
大自然の白い砂浜に、色とりどりの魚や珊瑚の美しさに感動しました。
私が来ている期間は約10日。
その間、彼はなるべく仕事の休みをとり、私を楽しませてくれました。
彼は何度か仕事に行く日もありましたが、その間は一人でショッピングを楽しんだり、ビーチでゆったりとした時間を過ごしていました。
そして、そんな日々の中、彼から正式に交際も申し込まれました。
もちろん私は承諾し、晴れて正式なカップルとなったのです。
私が滞在期間中は、友人たちとビーチでバーベキューを計画してくれ、彼の友人らとも会いました。
みんなとても気さくで私を受け入れてくれ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
そして、お別れの日が来ましたが、絶対に離れたくないとお互い思い、すぐに再会の約束をして日本に帰国しました。
遠距離恋愛の始まり
グアムと日本。
時差は2時間、フライト時間は3時間という距離ではありますが、国際遠距離恋愛が始まりました。
毎日、お互いメールやチャットのやりとりは欠かさず、電話でも話しました。
次に会えるのは1ヵ月後。
それまで必死で私も日本で仕事をし、彼との再会を心待ちにしました。
そして、1ヶ月後にまた彼に会いに行きました。
そのときは、彼の自宅に滞在しました。
彼はもうお休みをまとまって取れなかったので、彼が仕事に行ってる間は、周辺をお散歩したり、家の片付けや家事もしていました。
彼はそんな私に喜んでいました。彼と一緒にいた期間は半同棲のような形でしたし、私もとても幸せな時間でした。
グアムと日本を行き来する、国際遠距離恋愛が何度か続きました。
離れていても、心はつながっているし、いつも身近で感じられる、まさにそんな状態でした。
お付き合い中のエピソード①
日本人観光客がほとんどであるグアム。
そんなグアムにいた彼は大の日本好きです。
独学で日本語を勉強し、何度も日本にホームステイをしたことがあった彼。
そんな彼は出会った当時から日本語が上手でした。
たどたどしさはあるものの、日本に住んだことがないアメリカ人がここまで話せるのはすごいことです。
彼の家にはたくさんの日本語勉強をするための本があり、今まで努力をして勉強してきたのが伺えます。
学校などに行くわけではなく、独学ですので自分の努力なしでは絶対に上達しません。
特に彼は、仕事柄日本人の子供たちと触れ合うことが多く、彼の日本語は日本人の子供から覚えたと言っていました。
なので、会話をすると、日本人の子供が使うような言い回しや言葉が多かったんです。
例えば「バイバイキーン」と言ったり、小さな男の子や小学生男児が使うような言葉でした。
そんな彼の日本語はとてもかわいく、ほのぼのとした彼の性格や雰囲気と合わさり、とても癒し系の存在でもありました。
最初に出会った時から日本語がうまい彼でしたが、今思えばまだまだ日本語がわからない部分も多かったです。しかし、私も英語を織り交ぜながら話したり、日本語ではなく英語だけで会話をしたりと、意思疎通に工夫をしていました。
私も英語は独学でしたので、すごくうまいというわけではありませんでしたが、過去のアメリカ人との交流やアメリカ在住経験で培った語学スキルを生かして彼と会話をしていたんです。
メールやチャットは、彼が日本の文字は全く駄目でしたので、英語のみのやりとりをしていました。
もしくは、アルファベットでの日本語です。
お互い、英語も日本語も完璧ではないので、複雑なことになると意思疎通がしにくい面ももちろんありました。
ですが、辞書を使いながらもなんとか意思疎通をがんばっていました。
お付き合い中のエピソード②
彼と私は共通の趣味がけっこうあります。
その中の1つが、日本のアニメ、ゲームが好きだということです。
彼の部屋にはたくさんのアニメグッズが保管されており、そのグッズを見せてもらったときは私も興奮しました。
私の大好きなアニメだったので、なおさらです。
よくもまあ、海外にいながらこんなに集めたなあというほどの量でした。
私はこういったグッズがあればすぐに使ったり、部屋に展示したりしたい人です。
ですが、彼はその正反対。
こういったグッズは、箱やパッケージを開けずにそのまま宝箱に保管。
たまに開けて見るだけ、という人。
「そんなのホコリがかぶるだけじゃない。せっかくだから開けて使おうよ~!」と提案しながら、彼のグッズの入った箱を吟味していると、危険を感じた彼はとっさにグッズの入った箱を閉め、「もうおしまい。終わり終わり!!」とさっさと片付けてしまいました。
それ以降、彼はそのグッズ箱を時々開けていても、私が来るとすぐに閉めて片付けてしまいます。
「開けられる」「使われる」といった危険を察知するのでしょう。
そんなグッズは、結婚して7年目の現在も彼の部屋の片隅で眠っています。
もちろん開封していない状態のままです。
お付き合い中のエピソード③
グアムでは彼はとても人気者でした。
外見からして、一瞬で本土からの人とわかる彼。
グアムの人々はパスポート上アメリカ人ではありますが、実際はアメリカの本土に行ったことがない人がほとんどです。
戦後アメリカ領となったグアムは、古くから住んでいる現地人であるチャモロ人がほとんどを占め、その他は近隣のマリアナ諸島からの出稼ぎ者、フィリピンや中国、韓国などからの移民者がほとんどなんです。
島内も、観光地であるメインエリアは開発も進んでいますが、少し離れるとチャモロ文化のあふれるローカルなたたずまいや街並みを見ることができます。
実際は日本人のイメージしているアメリカ本土とはかけ離れています。
文化や習慣、住む人間も街並みも違います。
どちらかというと、沖縄や台湾、フィリピンなどが混ざったような環境でアジアよりです。
ですが、戦後にアメリカ領となりアメリカの物資や店舗も進出してきているため、アメリカらしさも少し垣間見れるといった場所なのです。
そんなグアムにいると、夜間は島の1/3は占めるという米軍基地から米軍兵が街に繰り出す姿も見られますが、日中は現地人がほとんどで本土からのアメリカ人の姿は少ないです。
そして、いわゆる白人や黒人をグアムで見た場合は、本土からの人間なんです。
軍人をのぞくと、その数はとても少ないです。
そんなわけですので、彼はグアムの現地人からとても人気がありました。
スーパーで買い物をしていると知らない現地人のおばさんたちが来て、「あなた、本土からの人でしょ?」と話しかけてきたり、レジでお金を払うときは、スタッフが「本土から来た人だよね?本土ってどういうところ?」と興味津々で聞いてきます。
また、子供を乗せたスクールバスから降り立つときに遭遇したときは、子供たちが彼のことを見つけて手を振りながら寄ってきます。
そして、とても彼らは親切にしてくれるんです。
彼らの本土への憧れがとてもわかる光景でした。
また、彼は日本人観光客や子供たちを相手に仕事をしていましたので、グアムにいると高確率で知り合いに遭遇します。
行くところ行くところに誰かしら知り合いに遭遇すると言った状態で、皆さんとても慕ってくれます。
彼の人気と高さや人柄の良さがよくわかったエピソードでした。